【 第16回専攻医研修会開催要領 】

 

1.開催日時  令和2年 2月12日(水)18:00~20:30

 

2.開催場所  滋賀医科大学キャンパス内 小講義室

        〒520-2192 滋賀県大津市瀬田月輪町(077-548-2111

 

3.名称  SCRAP 臨床推論勉強会 テーマ「発熱、リンパ節腫脹、皮疹」

 

4.研修会対象者    

○JPCA滋賀県支部の指導医、および医学生・医療関係者

   

5.目的/内容

(1)「総合診療を学びたい」と考える学習者(医大生)に対し、臨床推論を学ぶ場の提供を行う。

(2)推論を行う症例の事前準備や会自体のマネジメントは主に医大生が主体となって運営し、彼ら・彼女らの自己学習能力の向上につなげる。

(3)指導医は、医大生とともに臨床推論を学ぶとともに、その医大生に対し指導を行い、ファシリテーション能力の向上につなげる。

(4)臨床推論のやりとりを通じて、JPCA会員と医大生の定期的な交流の場とし、プライマリケアに興味を示す学生の増加・獲得につなげる

 

 

以 上


令和2212

医学生との交流事業「第16回専攻医研修会」報告書

主催:日本プライマリケア連合学会滋賀県支部

 

1.概要

SCRAPという名称で臨床推論学習会を2017年より定期的に開催している。

本会は、医大生が主体となって構成された臨床推論勉強会であり、学生の主体性を尊重し自己学習能力の向上を促している。また専攻医は、医大生とともに臨床推論を学びながら、医大生に対する指導の中でファシリテーション能力の向上につなげる会となっている。

家庭医・総合診療医に興味を持つ滋賀医科大学の医学生が多く参加しており、将来の滋賀県の家庭医療・総合診療の発展を図るべく医学生との交流と啓発につながっている。

2.講師

近江八幡市立総合医療センター 救急・総合内科 徳田 嘉仁

3.実施日時

令和2212()  18:00 – 20:30

4.実施場所

滋賀医科大学キャンパス内 小講義室

5.参加対象

医学生、専攻医等

6.タイムスケジュール

18:00-18:30問診考察タイム (team based approach)

18:30-18:40 問診内容共有タイム/講師からのミニレクチャー

18:40-19:00 身体所見考察タイム (team based approach)

19:00-19:15 身体所見共有タイム/講師からのミニレクチャー

19:15-19:35 検査・鑑別疾患考察タイム  (team based approach)

19:35-20:00 メインプレゼンターの学生からのtake home message

20:00-20:15 全体振り返り 写真撮影

20:15-20:30 メインプレゼンターとの個別振り返り/メンタリング

7.実際の内容

 医学生、専攻医等、指導医あわせて10名が参加した。

 今回は主訴が「若年患者の発熱、リンパ節腫脹、皮疹」であった。LINE®を使用した事前問診システムを導入しており、会が開始された時にはかなりの問診が行われていたため、主訴や得られた情報からいかに「google®」などを利用して調べていくか、実際に自身が臨床で使用しているテクニックを教えつつ、自らインターネットで検索してもらう時間をたくさん設けた。

 また、問診をどう統計立てて取りにいき(history “take”の重要性)どの順路で情報を整理していけばいいか、という推論する上で大切な情報の優劣とまとめ方についてレクチャーを交えつつ、鑑別を絞り込んでいった。

 最初はどうアプローチしたらいいか戸惑っていたが、主訴別の鑑別からインターネットで網羅的な鑑別を調べ、さらに「主訴と主訴の輪が重なる鑑別」を意識してもらうようにしたこと、さらにtime courseからの鑑別法を合わせ、数個の鑑別に絞り込み確定診断のための検査を行う、という流れで整理していくことが出来た。

 最終診断は「window periodで検査が偽陰性の急性HIV感染症」であり、検査の感度・特異度や「検査を信じるのではなく、自身の推論と合致するかどうか」の重要性についても身をもって体感してもらえたと感じている。

 

 メインプレゼンターの学生が準備した学習資料では「性感染症の病歴聴取P”」「HIV VS EBVの臨床像の類似点と相違点」「急性HIV感染症を疑った時の検査とそれぞれの感度・特異度」について調べてきてくれており、いずれも「ただの知識」ではなく明日から臨床に使えるような(実際に臨床で悩むことの多い)「生の知識」を調べてくれていた。

 最後に、メインプレゼンターと個別でのメンタリングを行なった。

(余談だが、ファシリテーターの私、徳田の誕生日近くであった事から、サプライズで誕生日祝いもして頂いた。学生たちとの密な関係性が構築されているなと感じ、とても嬉しい時間となった。)

 

 

 

 

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