第10回びわ湖家庭医療フォーラム開催要領

 

1.主 催   日本プライマリ・ケア連合学会滋賀県支部

2.共 催   滋賀医科大学医学・看護学教育センター

認定特定非営利活動法人 滋賀医療人育成協力機構

3.開催日時  令和 5年11月23日(木)14:00~17:00

4.開催場所  アーバンホテル南草津(℡ 077-561-0606

(〒525-0050 滋賀県草津市南草津1丁目15)

5.対象者   

(1)初期研修医・医学生の希望者

(2)滋賀県指導医および専攻医

(3)日本プライマリ・ケア連合学会滋賀県支部会員

 

6.目的・内容

(1)企画全体の目的:学生に総合診療医の活躍を見せて、ロールモデリングの機会とする。

(2)総合診療医の診療実践から学び、学生としての医療面接の基礎をつくり、OSCE対策から地域医療の魅力つくりまでをカバーする学習機会とする

(3)滋賀の総合診療研修プログラムの存在を研修医・学生に知ってもらう

 

7.スケジュール

14:00~14:05 開会挨拶 松井善典副支部長

14:05~16:35 講演、ワークショップ、グループワーク

             松井 善典 先生

             中村 琢弥 先生

             中山 明子 先生

             宮地純一郎 先生

             大西 規史 先生

             北川 景都 先生

16:35~16:55 滋賀の総合診療プログラム指導医からの案内

16:55~17:00 閉会挨拶 中村 琢弥副支部長

 

以 上


第10回びわ湖家庭医療フォーラム報告書         

      

  主催:日本プライマリ・ケア連合学会滋賀県支部

       共催:認定NPO法人滋賀医療人育成協力機構

 

1.概 要

(1)家庭医の医療面接を追体験しOSCE対策からキャリア形成を支援する

(2)滋賀県内の総合診療研修プログラムの存在を研修医・学生に知ってもらう

2.講 師

(敬称略)

中山明子先生(大津ファミリークリニック)、中村拓弥先生(弓削メディカルクリニック)、北川景都・大西規史・宮地純一郎・松井善典(浅井東診療所)

3.実施日時

令和5年11月23日14時〜19時00分

4.実施場所

南草津アーバンホテル

5.参加者

参加者21名(指導医、医学生、大学関係者)

6.タイムスケジュール

14:0014:05 オープニング・開会挨拶 (松井副支部長)
14:05
17:30 実践交流会:メインWS(複数講師で実施)

17:3018:30 懇談会

18:3019:00 滋賀県のプログラム紹介(松井副支部長)

7.実際の内容

講師は昨年まで連続講座を担当していた大津ファミリークリニックの中山先生、弓削メディカルクリニックの中村先生、浅井東診療所の宮地先生です。そして新たに浅井東診療所の大西先生と北川先生も講師で参加してくれました。イントロでは15名の参加者(当日急遽欠員がでましたが、臨時で馳せ参じてしてくれたメンバー含めて)から自己紹介を行いました。OSCE直前ということもあり、医学科4年生の参加が多かったですが、看護学科からの参加や1年生から6年生までと多様なメンバーで厚みがありました。

 基軸となった考え方は「内なる診療(The Inner Consultation)」からのキーワード「応答脳と構成脳」そして「結合と要約」です。応答脳と構成脳とは、コミュニケーションで発生する分析的論理的な側面と直感的感情的な側面の2つを意識するためのキーワードとして紹介しました。医学的なコミュニケーションのほとんどは構成脳で意識、計画、目標が設定されますが、一方で患者さんの非言語に応答しつつ、自らの反応や感情を処理する応答脳も重要になります。いくつかのアドリブワークをいれながら、講師メンバーのアドリブデモを随所にいれて、その2つの働きを意識できたところでロールプレイの準備ができました。

 3回のロールプレイとフィードバックを行いましたが、その目標設定が「結合と要約」です。「内なる診療(The Inner Consultation)」では5つのチェックポイントが設定されていますが、その最初の2つを学生さんたちにチャレンジしてもらう構成でした。低学年向けのお題でまず行い、次に診断名はついているが受診理由や解釈モデルを把握するお題、最後にその場で講師が診断名を設定してそれを隠したままというリアル医療面接のお題です。最初のシナリオ以外は患者役を講師が担当して臨場感たっぷりな状況を再現しました。

 

 参加した学生さんたちのレベルが高くて実践は良かったですし、改善点や反省点もよく自ら気づいてくれました。おかげでフィードバックや全体共有の時間も大いに盛り上がりました。3回のロールプレイはいずれも第一弾で紹介した「よく考えられた練習(deliberate practice)」を意識した構成を仕込み、また参加者の集中力もあって、たった半日で学生さんたちが得た経験値や学びは大変価値あるものだったという手応えがありました。

 

 来年度も学生さんたちから企画メンバーを募って充実のシリーズとして続けていきたいと思います。

最後に、恒例でそのような地域志向の医師になれる総合診療医や家庭医療専門医の紹介を行い、県内で学べるプログラムについて紹介しました。