「第1回 在宅医療多職種キャリアアップ研究会」開催要領

                                          

1 目 的

 

  卒前から卒後も含め、日ごろから在宅医療の現場や学習に携わる多職種が交流できる場として「在宅医療多職種キャリアアップ研究会」を開催し、在宅医療への意欲を喚起するとともに、資質向上や顔の見える関係づくりを行い、在宅医療人材の確保・育成を図る。

 

2 主 催

       日本プライマリ・ケア連合学会滋賀県支部

       

3 後 援

       滋賀県

       

4 日 時

       平成27年10月25日(日) 13:0~17:

 

5 場 所

       東近江総合医療センター  2階 きらめきホール

       東近江市五智町255    (TEL 0748-22-3030 )

                                     

6 参集者

              県内の医・看護学生および在宅医療に関する多職種の学生、県内在宅医療に取り組む医師や指導医、多職種(歯科医師、看護師、薬剤師、ケアマネジャ-、PT・OT、ヘルパー等)、養成機関、行政関係者

 

7 日 程(予定)

    12:30~13:0   受  付

 第1部

    13:0~13:5   開 会  支部長あいさつ

 

    13:5~14:00  「日本プライマリ・ケア連合学会滋賀県支部の活動について

              講演者 日本プライマリ・ケア連合学会滋賀県支部

支部長 雨森 正記 
第2部

      

    14:0~15:30 基調講演

「奈良県での多職種連携」

         講演者  奈良県高市郡明日香村 

         明日香村国民健康保険診療所 所長 武田 以知郎 先生

 

  15:30~15:40   (休 憩)

 

   15:40~17:40 多職種みんなでワールドカフエ

           「在宅医療で困ったこと滋賀県みんなで考えよう」  

 

参加者がグループに分かれ、在宅医療における課題、失敗事例成功事例を話し合いながら、テーブルホスト以外は他のグループに移動し議論を深め最後に各ホストが発表し、参加者全員が情報を共有し今後に生かしてく。   

      

    17:40~    閉 会

 




第1部 挨拶と支部活動報告、本部の動き

 支部長 雨森 正記 

 

会員数、専門医、プログラム
会員数 11484名(3年前より3000名あまり増加)
家庭医療専門医 512名(本年の合格者を含めて)
認定薬剤師 129名(本年の合格者を含めて)
後期研修プログラム Ver.2.0  252
登録専攻医 498名(165名が4月登録)滋賀県で6名
病院総合医養成プログラム 57

 

滋賀県支部の事業
後期研修医、指導医研修事業(年3回)
                                       在宅医療多職種キャリアアップ研究会(年1回)
                                       専攻医高度専門研修派遣事業
                                       近畿地方会企画検討


第2部-1 基調講演の部

 

 

Drイチロ-の地域のネットワークつくり

~医療と介護のごちゃまぜて多職種連携」

奈良県 明日香村国民健康保険診療所長

      武田 以知郞  先生  

 


第2部ー2 全員参加

多職種みんなでワールドカフエ!!

 こうせい駅前診療所長  佐々木 隆史 先生

 

グループの意見の発表    

     テーマ 「困った。今の制度の狭間の事例」

1.在宅医療を受ける家庭を誰がコーデイネートするのかむつかしい。

 ・ 介護保険制度でケアマネさんがおられる。

 ・ 生活保護のケースワーカーがおられる。

 ・ 障害の担当がおられる。

2.在宅サービスの給付要件として、その家族の経済的なもんだいが非常におおきい。

 ・ たとえば、本当は管理栄養士さん出番が必要だが、優先順位からし  てそこまで回ってこない。

3・在宅医療における地域医療と介護の連携を蜜にするため医学生の方の教育をキチッとやっていく必要がある。

4.服薬指導においてもDrの処方にもとづき処方をするのですが、薬剤師さんのほうでなかなかフォローできない。

5.{まとめ}

 制度の問題は幅広く、非常に難しくて、いろいろな意見がでましたがこのくらいしかまとめられませんでした。

  

グループの意見の発表    

     テーマ 「困ったけど。多職種ホントに助かった」

非常にたくさんの意見が出てまとめられませんが主に感じたことを発表します。

1.在宅医療の家庭の情報を把握しておられるのは、ヘルパー、ケアマネ、訪問看護の看護士師さん等であり、薬剤師は出られていないとの思いを持った。

2.食事が残っている、あるいは賞味期限切れの食品があるということで、栄養士さんが訪問してもらうとかデイのほうで栄養管理していただくとかPTのかたに入ってもらうとかの話があった。

3.ポリファマシ-の問題も出ました。薬が一杯ある場合どう解決するか。

  ・  Drとの連携があると解決できやすい。

  ・  沢山の種類の薬をいろいろな薬局でもらっている、手帳も多いケースは、薬剤師間の連携が必要であると感じた。

  ・   緩和ケアの患者さんについては、Drと薬剤師が連携していると、自宅へかえるときにその人の療養についてうまく管理ができます   ねという話も出た。

 ・   近畿地方会滋賀大会では薬剤師を中心に在宅での服薬についてのエビデンスと言ったテーマを設けたらという話も出ました。

4. フイドーバックについて多職種の方への連絡方法として紙での報告書を作成しても、読んでいる時間がないということもあるので、SNS、TEL、メールでの方法を考えるとかが必要である。

 また、ケアマネさんから薬剤師にこういう情報が欲しかったといわれることがあるので、薬剤師も多職種に働きかけていかなければならないと思った。

5. やはり、多職種が顔の見える関係の構築をすることに集約されるのではないでしょうか。

 

 グループの意見の発表    

     テーマ 「困ったけど充実。ライフワークバランス」

1. 仕事と生活のバランスについてがテーマでしたが、職種によって違ってきます。たとえば、ケアマネさんであれば24時間受付しているところ、そうでないところもあり、訪問看護Sでは24時間うけているがそのため後継者が育たないという話がでました。

2. 在宅看取りというとやはりDrの話がでてきまして、年配の熱心な先生はおられるのですが、その次の世代が育っていない。

 また、Dr間で連携をとるのも困難であるとの話も出ていた。

3. Drの健康を守りなら在宅医療をすすめるにはどうすればいいかの中で、雨森先生がいわれたとおり、研修医制度の活用もあります。

 また、診・診連携より病・診連携により、病院で在宅患者のためのオープンベット制度の利用をしたり、後方支援病院の活用により、開業医の先生が自由な時間がつくれる、長期研修へもいけるということが必要である。

4. また、訪問看護Sを初動では利用して、重症化すれば先生をおよびするということで在宅看取りの推進が図れるのではないかという話も出ました。

5. 他のグループで出ていましたとおり、多職種、DrNSだけでなく薬剤師、ヘルパーさん等が在宅看取りで、職種を超えてみんなが役割をもってかかわっていくことが必要であるとの話も出ました。

6. 私たちが一生懸命していても、次世代を育成する観点から、本日は医学生さんがきておられますが、お知らせはしていただいているとは思いますが薬学部生、看護学生、医療技術専門学校生等をこういう場に巻き込んで次世代育成につなげていかなければという意見もありました。

 

グループの意見の発表    

     テーマ 「困った、利用者や家族の関係」

1. 薬剤師さんがかわったとかケアマネさんが変わったということで、患者さんや家族との信頼関係が悪化したケースの話が出ました。医療従事者は担当替えと簡単に思うが患者、家族にとっては重要なことなので慎重に考えなければならない。

2. 在宅患者さんが病院で受診される場合、診察まで長時間またされることがあり、家族も疲れる。こう言ったときにどうしたらよいのか?ケアマネさんから他の職種から聞いている情報をDrに伝えることにしたらどうか?という答えに、ケアマネさんからそうしていますとの回答がありました。

3.現在、行動観察記録を本人が書いたり、家族が書いたりするようになっているが、その記録をDrに見せることによって患者さんができると思っていることと家族さんが感じていることのギャップがわかってくるのでDrの理解度が進む。

4. 家族からの薬を飲まない患者さんがいる。家族が信頼されていない。

まず、家族と患者さんがどういう関係にあるのかを、できればチームで把握しておく必要がある。という意見があった。

5. 最近、独居老人、老々介護、認々介護がふえているが、そういうケースにキーマンが不在となり、キーマンがいないからだめだではなく、多職種がどのようにかかわっていくかを考えていかなければいけない。

 

同テーマ  「困った、利用者や家族の関係」

 

1. 同じ話にはなりますが、家族と患者の関係が疎遠だった、もともと悪かった、家族も認知症だった、家族が精神病だった、患者が母親で介護の家族が独身の息子であり、介護にこだわりがあった。等々さまざまな関係が生じているとの話がでていました。

2. それぞれ単独で対処するより多職種が責任を分担をして対応することでみんがちょっとでも楽になったらいいとの意見がありました。

3. あとは、先のグループと同じ意見、思いでしたので省略します。 

 


研究会の模様・佐々木先生のまとめ・雨森支部長 閉会の挨拶



佐々木 先生 まとめ

今回、困ったことについて5グループで話あってもらいました。

本日、ここで結論をだすのではなく、個人レベルで、これからはこうしよう、こういう問題があったとか持ち帰っていただければ幸いです。

 

 当キャリアアップ研究会は他の研究会等とは違った切り口で取り組んでいって、キャリアアップにつながればと思います。 


雨森支部長  閉会の挨拶

・ 長時間ありがとうございました。今回は初めての試みでどうかなと思っておりました、特にワールドカフエ方式では、佐々木先生のご尽力で、みなさん熱心なご討議ができたことと喜んでいます。

 困ったことが出てきた時パット解決できればいいんですが、なかなかそんなことはないわけですけども、本日いろんな困ったことをみんながシエアすることができましたは大きな進歩だと思っています。

 また、武田先生には奈良のことあるいは今までの取り組みを教えていただきましてありがとうございます。

 われわれは2年後に近畿地方会を思っています。奈良に負けないように、しょぼい大会になるとは思いますが内容は充実した大会と考えていますのでまた先生のアドバイスをお願いいたします。

 本日は長時間ありがとうございました。これからも皆さんといろいろなことにチャレンジしていきますのでよろしくお願いいたします。

ありがとうございました。                    (平成28年度 第2回研究会へ移動)←クリック