第16回家庭医療指導医FD研修会開催要領

 

1.開催日時  令和 4年 2月19日(土)13:00~15:00

2.開催場所  Web研修会場

3.対象者   日本プライマリ・ケア連合学会滋賀県支部の内、指導医・指導的立場の医師・専攻医および滋賀県の地域医療教育関係者

4.研修会の概要

    ・テーマ:「指導医が学ぶ!地域医療の教育フィールドの構築と実現 

    ・内 容:現在総合診療医育成の流れとともに、大学や地域の医療機関が連

携して、卒前卒後の教育コンテンツを構築していく流れが加速してい 

ます。今回、岡山県にて上記を代表するような精力的な教育的取り組み

をされている松下明先生をお迎えして、同地域での教育内容やその構

築方法についてご講演いただき、滋賀県の教育現場の皆様と対話いただける機会を設けました。今後の滋賀県の地域医療における教育領域の発展のための貴重な機会です。是非ご参加ください。

※本企画は「滋賀県地域医療教育コンソーシアム」として、滋賀医大教

員の皆様との連携会議も兼ねて活発な議論を行いたいと思います。

5.スケジュール             

13:00~13:05 開会挨拶 雨森正記 支部長(& 参加者自己紹介) 

13:05~14:05 講演「指導医が学ぶ!地域医療の教育フィールドの構 

築と実現」計約60分 

        演者:松下明先生(司会進行:中村琢弥指導医(弓削MC))

14:05~14:50 質疑応答 (※休憩時間に合わせて適宜調整)

            連携会議としての今後の滋賀県での教育の実際についての議論

14:50~15:00 閉会挨拶 雨森正記 支部長(※休憩時間に合わせて適宜調整)以上


2022/02/19

16回 指導医FD研修会 事後レポート

弓削メディカルクリニック

中村琢弥

 

<日本プライマリケア連合学会滋賀県支部 第16回指導医FD研修会>
1.開催日時  令和 4年 2月19日(土)13:00~15:00
2.開催場所  Web研修会場
3.対象者   
・日本プライマリ・ケア連合学会滋賀県支部の内、指導医・指導的立場の医師・
    専攻医および滋賀県の地域医療教育関係者
4.研修会の概要
・テーマ:「指導医が学ぶ!地域医療の教育フィールドの構築と実現
・内 容:現在総合診療医育成の流れとともに、大学や地域の医療機関が連携して、卒前卒後の教育コンテンツを構築していく流れが加速しています。今回、岡山県にて上記を代表するような精力的な教育的取り組みをされている松下明先生をお迎えして、同地域での教育内容やその構築方法についてご講演いただき、滋賀県の教育現場の皆様と対話いただける機会を設けました。今後の滋賀県の地域医療における教育領域の発展のための貴重な機会です。是非ご参加ください。
本企画は「滋賀県地域医療教育コンソーシアム」として、滋賀医大教員の皆様との連携会議も兼ねて活発な議論を行いたいと思います。
5.スケジュール             
13:00~13:05 開会挨拶 雨森正記 支部長(& 参加者自己紹介) 
13:05~14:05 講演「指導医が学ぶ!地域医療の教育フィールドの構築と実現」
            計約60分 
            演者:松下明先生(司会進行:中村琢弥指導医(弓削MC))
14:05~14:50 質疑応答 (休憩時間に合わせて適宜調整)
(司会進行:中村琢弥 指導医(弓削MC))
          連携会議としての今後の滋賀県での教育の実際についての議論
14:50~15:00 閉会挨拶 雨森正記 支部長(休憩時間に合わせて適宜調整) 

<終了後レポート>

 本日は滋賀県の総合診療家庭医療の教育をになう指導医およびその制度構築などを行う滋賀医科大学の関係者を24名のメンバーを集めて、教育セッションを開催した。

 今回は岡山県にて、総合診療領域の教育制度構築を15年以上にわたり携わられている松下明医師より教育フィールド構築について、実際の実例と理論を交えて話して頂きました。学術的な概念では、実際の診療や教育で使用されるものを、具体例を交えて御紹介頂けた。また教育フィールド構築紹介では、岡山県で実際に稼働している教育プログラムなどを歴史も交えて語っていただき、大いに参考となる内容であった。質疑応答では、現場の指導医や滋賀医科大学の関係者からのコメントをいただくなど、多角的な意見が交わされるものとなった。

 教育フィールド構築は総合診療領域に限らず、今後滋賀県の医療を盛り上げていくためには、欠かせない分野のため、本学習会をうけてさらに滋賀県の教育向上が期待される。今後さらに本学習会に続く形で指導レベルの向上に寄与する学習会展開を続けていきたい。

                                               以 上


  イベント全体に対して、なにかご感想やご指摘、改善点などなんでも結構ですので、コメントをお願いします!
1 とても素晴らしいものでした。滋賀県はこうした教育フィールド構築の実践例を知る事が大切であると思います。
2 松下先生の家庭医療のパイオニアとしてのこれまでの経緯、とても勉強になりました。
3 ミシガンでの家庭医療研修の話もとても魅力的でした。大学とどう関係性を作っていくかは滋賀県にとってとても大事なことかと感じていますので自分も関わっていければいいなと思います。
4 素晴らしかった
5 他の地域の取り組みの規模感や変遷をきけたのが非常によかったです。事前質問などができるとなおよかったかもしれませんが・・・。講師の先生に負担がかかりますね・・・。
6 すばらしく、がんばろうという意識になりました。
7 開始時間が少し早いなと感じました。
8 週末の貴重なお時間にありがとうございました!
9 松下先生のお話をお聞きでき、また質疑応答の時間もゆっくりとっていただけて、スライドにはない内容をお聞きできてよかったです。
10 貴重なお話を拝聴しました。感謝いたします。公衆衛生分野に身を置くものとしては、MPHコースのことが、眼からウロコでした。医学科ではとかく「質的研究」が軽視されがちなのですが、地域医療においては質的医療が重要というご指摘、まさにその通りですよね。医学教育の中でもっと力をいれるべきだと認識しました。本学にMPHコースを作れるかどうかは、なかなか厳しいところがあります(さすが、公衆衛生領域でも輝かしい歴史と伝統のある岡山大学!)。しかし、医学科4年でとりくむ社会医学フィールド実習で工夫できることは、もっとあるのではないかと思いました。実際、私どもの部門が担当する同実習においては、地域医療をテーマをにする学生グループが、浅井東診療所の松井先生にご指導いただいて、お手本のような質的研究をさせてもらっているところです。かねがね、学生には、質的研究、事例検討の重要性を強調してきたつもりではありますが、地域医療に重要という観点は、今後もっと意識すべきだと気づかされました。ありがとうございました。
11 指導医とは、このように世の中のことも考えて、実際変えていくのだなと気持ちが引き締まり、やや自信を失い、ただ、そんな中でも自分のできることをやりたいという思いになりました。具体例、成功ケースを知ることであと今の自身の勤務先にはこれが足りないんだななどを感じることができました。改善点はあまり思い浮かびません。
12 まだ専攻医の立場ではあるが、地方で家庭医療の拠点をつくるのが将来の一つの夢なので、同じ家庭医療の仲間だけでなく、周囲の人々と調整したり、大学や地元、医師会などに働きかけたりと、地道な活動を続けてこられたお話を聞けて勉強になった。
13 システム障害があったそうですが、短時間での復旧ご苦労様でした。
14 時間通りに進行し、司会もスマートだったので参加していて心地よかったです。※2022年度に家庭医療専門医試験を受験予定です。今回から資格取得前からFD研修会に参加可能となったようで、必要不必要の判断がつかなかったので念のため単位を申請させていただきます。
15 若い先生方のナイスな質問がよかったです。
16 外部のプログラムのヒストリーを聞くことは、とても勉強になりますね。
17 松下先生のご講演をゆっくり聞ける機会、とてもありがたかったです!
18 岡山で津山といえば、滋賀でいったら長浜とか湖北とかの立地で、よく頑張っておられると思っいます
19 松下 明先生が岡山家庭医療センターを設立されて家庭医療を実践されたり、また大学や自治体との連携などさまざまな取組を行いながら、その人材育成に取り組まれるご講演を大変興味深く拝聴いたしました。また、先生は若い医学生に家庭医療のおもしろさや醍醐味を伝えることの大切さも強調されていました。今後の滋賀医科大学の家庭医療、総合診療に関する教育の方向性を考える上で大変有意義なご講演であったと思っております。企画を行ってくださいました、日本プライマリ・ケア連合学会滋賀県支部長、雨森正記先生、研修会ご担当、中村琢弥先生、松井善典先生に深く感謝申し上げます。今後ともご指導くださいますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

  受講してみての感想を300字以上を目安にお願いします。
1 非常に良い研修で司会進行をしていて嬉しく思いました。滋賀県では非常に魅力的なフィールドはありますが、まだまだ形としての連携やパッケージ化が十分整っているとは言えない状況があるかと思っています。そのためのヒントが多数盛り込まれた内容でした。ぜひこうした教育事業構築に今回の実例を活かして頂けたらと思っております。ありがとうございました。
2 松下先生のお話は自分の中で思っているものと合致するものが多く非常に嬉しく思いました。また地震にもつながりましたありがとうございました。
3 時代の潮流に乗りながら、大学との連携、県内の同じような仕事をしている人とのつながりなどを未来人GP養成機構の予算事業や、mHANDSのような大駒・小駒を組み立ててやってこられた様子が非常に勉強になりました。滋賀県は雨森先生の診療所がまず老舗としてありますが、中堅診療所として浅井東・浅井もこれから飛躍をしていきたいと思います。
4 教育、経営、家庭医療とは、指導医の育成、学問としてどこまで自身を広げていくかなどたくさんのテーマをいただきました。現在の興味としては、相手に伝わる教育、という内容と、自分がやっているプラクティスの楽しさを伝えたい、という自己中心的ではありますが、それを広めて仲間を増やしたいという思いがあります。その視点でも経営的に成り立つこと、人が引き続き来てくれること、そのために指導医がいること、何よりも地域を大事に医療面、福祉面、予防面でお役に立てていることが大事だと思い、すべて連綿とつながっているからこそ、どこからでも始められるものの、始め方の1歩目が踏み出しにくいな、と思っています。特に医療以外の一歩を自分なりに歩めるようにしたいと思いました。大変貴重なお話をいただき、今後も引き続き学び、また他流試合をして自己のコンフォートゾーンから抜け出しつつ研鑽したいと思います。
5 岡山県のお話で懐かしいなと思いながら勉強させていただきました。岡山の北南の医療格差は実感しています。山を越えるのが大変と思います。学生時代から研修受け入れ継続されているのがすばらしいなと思いました。いろんな立場の方をまきこんで岡山全体で対応されているのだと思いました。指導医の質・医学生への種まき、研修環境の充実すべて大切と気づきました。勉強になりました、ありがとうございました。
6 地球⇆国⇆地域⇆家族⇆個人⇆神経⇆臓器⇆細胞のベクトル図が印象的でした。今、私は家庭医療の専攻医で、今のところ滋賀で診療を続けることになると思いますが、家庭医療専門医を取得したあと、今後ひょっとすると他科の専門領域も勉強したくなるかもしれません。そうなったとしてもいつでも患者中心に、この軸を感じながら、家庭医(本来はどんな医師でもですが)としての私を忘れてはいけないと感じました。
7 地域医療の教育フィールドを構築していくために必要なこととして、卒前教育での出会いが大切なことを一層強く認識できた。そこでの患者とのやりとり、他職種との連携などの光景が、比較的感受性の豊かな学生たちにどう映るか。自分の医師像にフィットするかどうか。そこをより意識して対話していこうと思った。また、日本のプライマリケアを構築するためには、他職種教育も重要なこと、それがいいチーム構築のキーにもなること、教育と実践が一本につながっていることも印象的であった。また、振り返りには苦悩を語ることのできる安全な場づくりが必要なことも再認識した。個人的には、「大義名分があり、その根幹だけを見つめていれば、小事で心が揺らぐことはない」という言葉が印象的で、その覚悟を持って、自分の夢に責任を持ちたいと身が引き締まった。
8 実は、まず感じたのは「もう知っている」感でした。これは私がいかに恵まれた環境にいるのかを表していると思いました。雨森先生がされてきたことを享受していることはなんとなくわかっていたのですが、確信し、それを後世に引き継ぐ必要性を再認識し、さらに引き継ぐだけでなくより良いものにすることができたらなと思います。最近自分はそのような率先力や有能さは、やはり優秀な皆さんに囲まれ、発揮しづらいだろうと思っています。その代わり自分のできることをサポートという形でもすることで自分が貢献できれば良いのではと考えており、サポートするような他の立場の人のお話が聞けたらありがたいなと思いました。
9 松下先生のご経歴から始まり、多くの施設が連携して総合診療医の教育システムができ、発展していく様を興味深く拝聴いたしました。どうしても「診療の片手間に」なりがちな教育を当初から十分なパワーをつぎ込んでされてきたことにより、人も集まり、プログラム自体も発展するという様が大いに参考になりました。我々の病院でも近々専攻医のローテーション受け入れが始まります。まだまだ準備中というところですが、少しでもお役に立てればと思っています。振り返りについて、すぐに消化できない分は一旦おいておいて後からもう一度振り返れるようにすればよいなど、明日からでも(現在は初期研修医など相手ですが)早速活用できると思いました。また、バラエティに富んだ体験ができるプログラムにより患者さん自身より大きな家族、町の健康も見る力がつくというのも参考になりました。今後のさらなるご活躍、プログラムのご発展をお祈りします。
10 ご無沙汰しております。医学部生の時に奈義FCに見学に行かせていただいた時を思い出していました。プログラム卒業生が内部に残り続けるかどうかはどこの組織でも課題だと思いますが、m-HANDSなど卒業生が残りやすい工夫として意識して組み立てておられますか?もしくは要望や必要性に応じた結果、そのような仕組みができていったのでしょうか。
11 松下先生のこれまでの経歴や医学教育のノウハウが聞けて良かったです。研修医さんにどのように学習してもらうか? 自分自身の中に家庭医という自覚がないので、せめて勉強する場所を提供して、その中で研修医さん自らが問題を探すなどしてもらって、その都度フィードバックしているような状況です。当方の受け入れは初期研修医が多く、今後の進路も決まってしまっている人が多いため、地域医療の役割や楽しさを感じてもらうだけで終わっています。今後は滋賀医大などとも連携して、学生さんのうちからもっと入ってきてもらってもいいなと思いました。また医師が増えると経営的に厳しくなるのかという質問がありましたが、実際にそのような局面に尻込みをしている状況です。もうちょっと果敢に攻めて、後期研修医さんを受け入れられるような取り組みをしていきたいと思います。
12 いろんなところで、いろんな育て方がある中で、場所は違うとも基本スタンスややっていることの大枠は同じなんだなと感じました。それぞれのパイプが太くなり、成功事例や失敗事例の蓄積・共有によって、解決できる問題が多々ありそうなので、プログラム同士の交流、連携によって成長の相互作用があるのかなと改めて感じました。
13 松下先生の人間味あふれるご講演に聞き入りました。本当に貴重な時間でした。先生のキャリアについて初めて聞かせていただき、お若い頃の強い志が今も先生の支えになっているというお話は大変印象的でした。また以前松下先生のクリニックに見学へ行った際に、地域での取り組みを聞かせていただきましたが、今回さらに大学とどのように関わってこられたのかを聞かせていただき、クリニックで医学教育を行っていくのに大学との関係性が深いことがいかに重要かに気付かされました。総合診療の発展のためには、さまざまな関係機関の連携が重要であり、そのリーダーシップをとっていくことが求められると感じ、自分もその一つの歯車になれればと感じました。